あなたはボローニャの工場でDUCATIシングルが何台作られたかご存じですか?

これは長年の謎でした。

とは言え、2000年にWDW2000でボローニャの工場に行った時、何年に何が何台作られたかやどの国のシェアがどのくらいあるのかがグラフになって貼られていました。

一応、デジカメで写真は撮ってきたのですが、当時のデジカメは解像度が低く、細かい数字までは見えなかったんです。(涙)

唯一わかっていたのは、1970年代に村山モータースさんが輸入されたのが267台という事だけでした。(この数字は「THE DUCATI」毎日新聞社刊1984年に出ているデータです)

1998年か1999年のDUCATI社の生産台数に占める日本のシェアは5%でしたから(ボローニャ工場調べ)そこから逆算しても5,340台、メーカーがお金かけて開発し、工作機械を使って部品を作り、組立ラインを使ってアッセンブルすることを考えたらとても合わない数字です。(ちなみにDUCATI社の最大のマーケットはカナダ北米地域です。日本ではありません。)

ついに実数がわかりました!

オーストラリア在住のモーターサイクル歴史研究家のイアン・ファーロンさんが書かれたこの「The Book of the DUCATI Overhead Camshaft Singles 1955-1974」に載ってました。イアンさん、詳しく調べてくださり、ありがとうございます。

※イアン・ファーロンさん(発音違ったら許してください)はニュージーランドご出身で、この本以外にも「DUCATI750SS」の本やべベルツインのレストアガイドなども書かれています。

実はこの本、2016年の6月に出たらしいのですが、値段も高く、その上版もでかくページ数も多い(紙も厚い>笑)そのため出版元のイギリスからの送料がかなりかかるため二の足踏んでいたんです。

で、今回やっと入手できたというわけです。

さて、その実数は?

引っ張っちゃってすみません。(笑)

細かい数字を飛ばしてザァっと行きます。

ワイドケース系(1968~1974)49,921台(450RT含まず)

ナローケース系も同じくらいです。

ちなみに村山モータースさんが輸入されていた時期のイエローデスモや青メタマーク3、スクランブラーなどの生産台数は合計で16,111台でした。

ということは日本のシェア率としては1.66%になります。(267/16,111)

WDW2000で世界中からドカ好きな人たちが何万人も集まってきたのを直接目にしてるんで納得の数字です。(DUCATI社にとってマーケットとしては小さい)

※意外とシルバーショットガンの生産台数が多かったのは驚きでした!どうりでシルバーメタフレークのタンクやシートがリプロされるわけだ!

日本国内に現存する台数はどれくらいなのか?

果たして日本国内に何台あるのかは已然ナゾのままです。(謎)

1970年台に村山モータースさんが輸入されたものが半分残っているとして130台、それにプラスしてバブル期に平行輸入されたものが相当あるはずですから500台はあるのではないかと勝手に思っていました。

また私の住んでいる新潟県は「DUCATIシングル不毛の地」と長い間思っていましたが(笑)、最近ではオーナーさんも増えてきているようで、現在わかっているだけで13台、それに私のところの7台(バラバラも含む>笑)を足すと20台もあるんです。

私の7台はちょっと別として、各県に15台あると仮定しましょう。(関東地方や中京地域には多いのですが平均値として)

15台 X 47都道府県=705台となります。

意外とあるな~!と思いませんか?

それでも総生産台数95,600台から見れば0.07%でしかありません。

残存数が20%しか無かったとしても19,120台はある計算です。

地球上に現存するのが本当に19,120台だったと仮定し、DUCATI社の日本での販売シェア5%と同じくらいの割合であるとした場合、956台は日本国内にあってもおかしくない数字と言えるでしょう。

前にも書いたように、日本国内には500台くらいしか無いと思っていましたから、この算出した仮定の数字にはビックリ!しました。まだまだ増やせるんだって!

次なる目標は「DUCATIシングル倍増計画」(笑)

こんな風に全体の生産台数から日本国内の台数をシェア率から割り出したりしていたらまだまだ増やせるような気がしてきました。

なんとなくですが、トータル1,000台くらいはイケるような気がします。あくまでも「気」ですが。(笑)

そのためにももっと多くの人に乗ってもらわなければなりません。

興味はあるけど難しそう、とかクセが強い、とか思われているかもしれませんね。

でも実際は左キックと右チェンジに慣れがいるだけで、きちんと整備されていればただの普通のバイクです。

ただちょっと違うところは、乗り始めちゃうとあまりの気持ちの良さに降りたくなくなっちゃうところでしょうか?(笑)

できれば新潟まで来ていただき、私の450Mark3desmoを試乗していただきたいと思います。

あまりの乗り易さに「DUCATIシングル」ってこんな感じなの!って驚かれると思います。

現在進行中のDUCATIシングルは、

去年は450を3台整備させていただきました。それぞれがいろいろなトラブルを抱えていたりしましたが、何とかオーナーさんの元にお返しすることができました。

50年ちかく前の機械と考えれば、いろいろなところに問題があったとしても不思議ではありません。摩耗もすれば消耗もします。

ですので今では何が起きていても驚きません。へっちゃらになってしまいました。(笑)

まさに「MotorCycle makes the Man」ですね。(笑)

おかげさまで、多くの事例やノウハウの蓄積もできましたので、以前よりは対応力は上がっていると思います。

大切なDUCATIシングルをお預けくださったオーナー様には心より感謝しております。

この美しい宝石のようなマシンは、175SilverStoneSuperというもので、イギリスで初期のDUCATIディーラーをやっていたスタン・ヘイルウッド(マイク・ヘイルウッドのお父さん)のリクエストで作られたモデルらしいです。

また、時間を見つけては組み立てていた自分用の250SCRと350Ventoはほぼ完成、450RTはこれからエンジン組みという感じです。

自分用のDUCATIシングルは試乗もしてもらえるようにしておきます。

試乗をご希望の方はぜひ新潟まで!

旨いものを用意してお待ちしております。(笑)


投稿 | 編集